かつお節オリゴペプチドの威力

高血圧の予防と解消に役立つ新物質

大嶋 一徳 著 1997.09.23 発行 ISBN 4-89295-380-6 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)

日本の伝統食から発見された降圧物質

かつお節オリゴペプチドの威力

かつお節オリゴペプチドとは
これから紹介していく「かつお節オリゴペプチド」は、日本の伝統食であるかつお節を原料に作られた、たんぱく質の酵素分解物です。

たんぱく質は、アミノ酸と呼ばれる物質が百個以上つながった形をしていて、体の中に入ると消化酵素の働きでバラバラに分解され、アミノ酸になります。しかし、すぐにアミノ酸が一個一個バラバラになるわけではなく、まずペプチド(アミノ酸が二〜十数個つながった物質)の形になり、それが消化管を通過する途中で徐々に細かく分解・吸収されていきます。このとき、アミノ酸のつながりが十個以下になったものを、特に「オリゴペプチド」と言います。

すぐれた降圧作用をもつオリゴペプチド
たんぱく質を含む食品であればどれを食べても体内でオリゴペプチドが生じます。しかし、原料のたんぱく質や、そのたんぱく質を分解する酵素が異なると、できるペプチドが変わってきます。これは、たんぱく質によってアミノ酸の配列が違い、また分解酵素の種類によって分解のしかたが異なるためです。簡単に言うと、人体に有用なオリゴペプチドができる場合もあれば、そうでない場合もあるということです。

そうした中でつい最近、すぐれた降圧作用をもつオリゴペプチドとして発見されたのが、かつお節オリゴペプチドです。これは、かつお節をサーモリシンという酵素で分解して得られることが、京都大学食糧科学研究所の吉川正明教授と日本合成化学工業鰍ニの共同研究によって明らかにされました。

体内で一部が切り離されて活性型に
かつお節オリゴペプチドの血圧降下作用を示す主成分は、五つのアミノ酸がつながった「LKPNM」(ロイシン・リジン・プロリン・アスパラギン・メチオニン)です。このアミノ酸の配列は、かつお節オリゴペプチド特有のもので、かつお節オリゴペプチド自体を食べないかぎり、通常の食事では決して得られないものです(20頁参照)。

LKPNMが体内に入ると、消化管や血中でNM(アスパラギン・メチオニン)の部分が切り離されて、最終的に「LKP」(ロイシン・リジン・プロリン)の形に変化します。血圧降下に実際に働くのは、この変化後の「LKP」で、これを「活性型」と考えることができます。

このようにアミノ酸のつながりが途中で切り離されることも、血圧降下において重要な意味をもちます(33頁参照)。


その他のアミノ酸関連書籍