新発見“食べる絹”

化粧品・バイオ素材にも注目されるシルク

平林 潔 著 1995.04.26 発行 ISBN 4-89295-347-4 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)

血糖値を抑制する絹オリゴペプチド

新発見“食べる絹”

ラット実験で血糖値低下
古来中国では、繭を煎じて飲むと糖尿病に効くとの漢方処方があります。
そこで、二週間高カロリー食を与え飼育し耐糖性の低下したラットに、グルコースを投与しその効果を調べました。
普通食を与えたラットに比べ血糖値は高く、その値(170)は90分後においても低下しませんでした。
それに対し、絹オリゴペプチドを与えたラットの血糖値は低く抑えられました。絹に近い組成をもつアミノ酸混合物にも血糖値抑制効果はみられましたが、絹ペプチドの方がより顕著でした。


インスリンの分泌を促す
周知の通り、糖の代謝は膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌されるインスリンにより行われます。ラットに絹ペプチドを投与すると、ラットの血中インスリン濃度はいずれも投与前に比べ、投与後はかなりの上昇を示しました。絹ペプチドはインスリン分泌を促進する効果があります。
インスリンは細胞壁にあるインスリンレセプター(受容体)により認知され、その末端に付着し糖を細胞内に誘導します。このインスリンレセプターの一次構造中には―Gly・X・Gly・X―という配列が多く見られます。
これは正しく絹の結晶領域を構成するアミノ酸配列と同じです。絹ペプチドが血管内に入るとインスリンはレセプターと誤認しその分泌を促進することは十分考えられます。
しかし、これはあくまでも推論の域を出ません。消化管内で糖と絹ペプチドが結合し、糖の吸収が阻害されていることは十分考えられ、いずれも今後の研究により明らかになると思います。


フィブロイン投与によるインスリン濃度の変化(mg/dl)

 投与前投与後
No.15.12±2.5010.76±5.78
No.27.41±2.4810.12±3.65
No.35.33±1.9211.43±7.81

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